行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
そこで初めて、悠紀斗と波留斗の母親である優美子が口を挟んだ。
優美子は、波留斗と優美子の間の誤解を解くために、mirayが南條家を訪れたことで、波留斗とmirayが恋人関係にあることを知っている。
しかし、生粋のお嬢様で専業主婦の優美子は、mirayの素性が西園寺さくらということは、繋がらないどころか探ろうとも思わない。
ただ一点、息子の彼女と西園寺さくらが同じ名前だという、不思議な共通点を除いては・・・疑うこともなかった。
「あら、波留斗さんには決まったお相手・・・」
「母さん、後で事情を話すから今は黙ってて」
優美子の言いたいことがわかった波留斗は、すぐに優美子の言葉を遮った。
初めて母親の言葉を遮った波留斗に驚きを隠せなかったのは、南條豊と悠紀斗だ。
海外出張で長期不在にしていたため、二人は波留斗と優美子のわだかまりが溶けたことを知らない。
゛兄との関係が今以上に拗れるといけないから、今はまだ妹のことと、mirayとの関係は父と兄に話さないでほしい゛
と波留斗が優美子に頼んでいたからだ。
「でも・・・」
「母さん!」
「わかったわ」
渋々頷いた優美子に、波留斗は満足げな笑みを向ける。
そんな二人に、悠紀斗は怪訝な表情を隠さない。
「さくらさんのお母様。私もmirayの意見に賛成です。さくらさんはご自分で選んだ人物を伴侶になさる。もちろん、私も欲しいと思える物でも人でも、必ず自分で手に入れます
よ。こそこそと裏から手を回したりはせずに」
ニヤリと笑った波留斗には自信が溢れていた。
いつの間にか西園寺護と写真を撮り終えて戻ってきていたmirayが波留斗の隣に立つ。
「さすが波留斗。それでこそmirayのバディだ」
そう言って見つめ合う波留斗とさくらの顔に笑みが浮かぶ。
今は男同士にしか見えない二人の妖艶な雰囲気に、周囲のギャラリーはモヤモヤとした気持ちで頬を赤らめる。
豊は、実は、mirayが西園寺さくらであることを悠紀斗から聞いて知っていた。
そして今回、波留斗の自信満々な態度とその言動で、mirayとの関係を薄々感じ取ったようだ。
豊にとっては、西園寺家との繋がりが得られれば、さくらの相手が悠紀斗であろうと、波留斗であろうと大差ない。
「ほう、そういうことか。波留斗もいつの間にか逞しくなったんだな」
と笑みを浮かべて何度も頷いていた。
「会長、それでは私との約束が・・・」
「まあまあ、波留斗の初めての意思表示だ。ここはお前が大人になりなさい」
「くっ・・・!」
こそこそと耳打ちした笑顔の豊に、一瞬、苦虫を潰したような顔になったが、そこは八方美人の悠紀斗。
周囲の目を気にして、いつものように綺麗な作り笑いでやり過ごすことにしたようだ。
「南條新社長、私達もご挨拶よろしいですかな」
タイミングよく、大手企業の社長が悠紀斗に声をかけてきた。
「これは、これは大門社長・・・。それでは西園寺社長、我々はこれで失礼致します。本日はご来場ありがとうございました」
そう言って、挨拶をしてくる来賓の輪の中に、南條悠紀斗と父である豊は、颯爽と消えていった。
優美子は、波留斗と優美子の間の誤解を解くために、mirayが南條家を訪れたことで、波留斗とmirayが恋人関係にあることを知っている。
しかし、生粋のお嬢様で専業主婦の優美子は、mirayの素性が西園寺さくらということは、繋がらないどころか探ろうとも思わない。
ただ一点、息子の彼女と西園寺さくらが同じ名前だという、不思議な共通点を除いては・・・疑うこともなかった。
「あら、波留斗さんには決まったお相手・・・」
「母さん、後で事情を話すから今は黙ってて」
優美子の言いたいことがわかった波留斗は、すぐに優美子の言葉を遮った。
初めて母親の言葉を遮った波留斗に驚きを隠せなかったのは、南條豊と悠紀斗だ。
海外出張で長期不在にしていたため、二人は波留斗と優美子のわだかまりが溶けたことを知らない。
゛兄との関係が今以上に拗れるといけないから、今はまだ妹のことと、mirayとの関係は父と兄に話さないでほしい゛
と波留斗が優美子に頼んでいたからだ。
「でも・・・」
「母さん!」
「わかったわ」
渋々頷いた優美子に、波留斗は満足げな笑みを向ける。
そんな二人に、悠紀斗は怪訝な表情を隠さない。
「さくらさんのお母様。私もmirayの意見に賛成です。さくらさんはご自分で選んだ人物を伴侶になさる。もちろん、私も欲しいと思える物でも人でも、必ず自分で手に入れます
よ。こそこそと裏から手を回したりはせずに」
ニヤリと笑った波留斗には自信が溢れていた。
いつの間にか西園寺護と写真を撮り終えて戻ってきていたmirayが波留斗の隣に立つ。
「さすが波留斗。それでこそmirayのバディだ」
そう言って見つめ合う波留斗とさくらの顔に笑みが浮かぶ。
今は男同士にしか見えない二人の妖艶な雰囲気に、周囲のギャラリーはモヤモヤとした気持ちで頬を赤らめる。
豊は、実は、mirayが西園寺さくらであることを悠紀斗から聞いて知っていた。
そして今回、波留斗の自信満々な態度とその言動で、mirayとの関係を薄々感じ取ったようだ。
豊にとっては、西園寺家との繋がりが得られれば、さくらの相手が悠紀斗であろうと、波留斗であろうと大差ない。
「ほう、そういうことか。波留斗もいつの間にか逞しくなったんだな」
と笑みを浮かべて何度も頷いていた。
「会長、それでは私との約束が・・・」
「まあまあ、波留斗の初めての意思表示だ。ここはお前が大人になりなさい」
「くっ・・・!」
こそこそと耳打ちした笑顔の豊に、一瞬、苦虫を潰したような顔になったが、そこは八方美人の悠紀斗。
周囲の目を気にして、いつものように綺麗な作り笑いでやり過ごすことにしたようだ。
「南條新社長、私達もご挨拶よろしいですかな」
タイミングよく、大手企業の社長が悠紀斗に声をかけてきた。
「これは、これは大門社長・・・。それでは西園寺社長、我々はこれで失礼致します。本日はご来場ありがとうございました」
そう言って、挨拶をしてくる来賓の輪の中に、南條悠紀斗と父である豊は、颯爽と消えていった。