行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「さっきのってどれかしら?波留斗さんと悠紀斗さんのどちらがお似合いかってこと?チャンスは平等にってところ?それとも西園寺家には安心感に胡座をかいてる草食系男子はいらないってとこかしら?」
加賀友禅の着物を身につけて、腰に手をあてて立つ薫子は、極道の妻のようだ。
「全てですね」
「いいんだ。さくら。俺がモタモタしてたのが悪い」
珍しく怒りの感情を露にしているさくらと面白そうにしている薫子の間に立つと、波留斗は薫子に向かって頭を下げた。
「過去に色々な誤解があって、私はずっと卑屈になり、感情を表に出すことができずにいました。でも今は、さくらさんのお陰で誤解も解け、ようやく本当の自分でいられるようになったんです」
「へえ、だからってあなたがさくらさんに相応しいとは限らないでしょう?」
「お母様」
嫌みを隠そうとしない薫子を、さくらが止めようとしたが、波留斗が黙って首を振り遮る。
「お母様が反対なさるのも無理はありません。兄とは違い、私には誇れるものがない。常に次点に甘んじる時点で敗けは確定しています」
「それならば早々に身をお引きになることね」
薫子は、腰にあてた手を外し、今度は腕を組むと意地悪そうに口角をあげた。
さくらには本物の悪女にしか見えない。
「そうはいきません。さくらさんは私にとって、公私に及んで人生を掛けたビッグプロジェクトですから」
決して薫子から目を反らさず、力強い目力で訴える波留斗。
「・・・それで、ヘリをチャーターしてさくらさんを連れ去ったり、交通事故にあって記憶喪失になっても、最後にはさくらさんを思い出して迎えに来たりしてくださるのかしら?」
加賀友禅の着物を身につけて、腰に手をあてて立つ薫子は、極道の妻のようだ。
「全てですね」
「いいんだ。さくら。俺がモタモタしてたのが悪い」
珍しく怒りの感情を露にしているさくらと面白そうにしている薫子の間に立つと、波留斗は薫子に向かって頭を下げた。
「過去に色々な誤解があって、私はずっと卑屈になり、感情を表に出すことができずにいました。でも今は、さくらさんのお陰で誤解も解け、ようやく本当の自分でいられるようになったんです」
「へえ、だからってあなたがさくらさんに相応しいとは限らないでしょう?」
「お母様」
嫌みを隠そうとしない薫子を、さくらが止めようとしたが、波留斗が黙って首を振り遮る。
「お母様が反対なさるのも無理はありません。兄とは違い、私には誇れるものがない。常に次点に甘んじる時点で敗けは確定しています」
「それならば早々に身をお引きになることね」
薫子は、腰にあてた手を外し、今度は腕を組むと意地悪そうに口角をあげた。
さくらには本物の悪女にしか見えない。
「そうはいきません。さくらさんは私にとって、公私に及んで人生を掛けたビッグプロジェクトですから」
決して薫子から目を反らさず、力強い目力で訴える波留斗。
「・・・それで、ヘリをチャーターしてさくらさんを連れ去ったり、交通事故にあって記憶喪失になっても、最後にはさくらさんを思い出して迎えに来たりしてくださるのかしら?」