行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「これってどういう展開?」

「妻を驚かせるための演出」

「演出が一軒家の新居購入なの?突拍子なくない?」

慌てるレアなさくらをゲット。

再び、波留斗の心は満足感で満たされた。

波留斗は、両親とさくらを家の中に招き入れると、リビングに案内した。

そこにはホールケーキとケータリングで注文した料理の数々。

ため息を漏らす母二人に、呆れ顔のさくらは

「で、転居祝いのご馳走とケーキなわけね」

と毒づいた。

「いや、違う」

「それならなんなの?」

さくらの疑問に、波留斗がニヤリとほくそ笑む。

「さくら、最後の生理はいつ?」

「何よ、いきなり、両親の前で」

「答えて」

「・・・えっと」

「答えられないなら、これ、調べてきて」

波留斗が差し出したのは、薬局で購入できる妊娠検査キット。

さくらは目を見開きながらも、渋々と波留斗の指示にしたがった。

こそこそする二人の様子を気にすることなく、料理を前にはしゃぐ両親たちを尻目に、さくらはトイレに駆け込んだ。
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