行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
暴君ハルト光臨
「ねえ、なんか怒ってんの?」
「何故だ?」
パーティーが終わり、南條ビバレッジが所有するマンションに向かう社用車の中、前髪を掻き上げなからさくらが言った。
「波留斗さぁ、そんなキャラだった?言いたいことを言う暴君キャラかと思ってたけど、これじゃただの独占欲剥き出しの王子様キャラに成り下がりじゃん」
そう、波留斗はこのところ、何か言いたそうな顔をしながら、はっきりしない態度を繰り返してきた。
悠紀斗にライバル心を抱いているのは、これまでの態度や表情を見ればわかっていた。
しかし、今日のは度が過ぎた。
・・・何しろ、mirayにベッタリと張り付き、近づいてくる男性、いや女性社員にすら牙を向いて牽制していたのだから。
「着きましたよ」
社用車の運転手の声で、黙りこんでいた波留斗が先に車を降りた。
そして、いつものようにさりげなくさくらに右手を差し出して、車から引き出す。
「どうも」
口角を上げて、微笑みながらさくらが車から出る。
「斉木さん、今日もありがとうございました。おやすみなさい」
すっかり顔馴染みになった、波留斗のお抱え運転手である斉木にmirayがお礼を述べると、嬉しそうに斉木も
「おやすみなさいませ」
と微笑み返してきた。
「行くぞ」
相変わらず怒り顔の波留斗はスタスタとマンションのエントランスに向かって歩いていく。
「こういうところは暴君だね」
さくらの呟きに、斉木は肩を竦めて笑うと車を走らせて去っていった。
「遅い」
エレベーターの扉を開けて待っていた波留斗は、無表情にさくらを見つめていた。
「ありがと」
それでも扉を開けて待っていた波留斗の思いに感謝を示すさくら。
波留斗はガシガシと頭を掻くと、
そんなことをしても何も変わらないのに゛閉゛のボタンを連打し始めた。
「何故だ?」
パーティーが終わり、南條ビバレッジが所有するマンションに向かう社用車の中、前髪を掻き上げなからさくらが言った。
「波留斗さぁ、そんなキャラだった?言いたいことを言う暴君キャラかと思ってたけど、これじゃただの独占欲剥き出しの王子様キャラに成り下がりじゃん」
そう、波留斗はこのところ、何か言いたそうな顔をしながら、はっきりしない態度を繰り返してきた。
悠紀斗にライバル心を抱いているのは、これまでの態度や表情を見ればわかっていた。
しかし、今日のは度が過ぎた。
・・・何しろ、mirayにベッタリと張り付き、近づいてくる男性、いや女性社員にすら牙を向いて牽制していたのだから。
「着きましたよ」
社用車の運転手の声で、黙りこんでいた波留斗が先に車を降りた。
そして、いつものようにさりげなくさくらに右手を差し出して、車から引き出す。
「どうも」
口角を上げて、微笑みながらさくらが車から出る。
「斉木さん、今日もありがとうございました。おやすみなさい」
すっかり顔馴染みになった、波留斗のお抱え運転手である斉木にmirayがお礼を述べると、嬉しそうに斉木も
「おやすみなさいませ」
と微笑み返してきた。
「行くぞ」
相変わらず怒り顔の波留斗はスタスタとマンションのエントランスに向かって歩いていく。
「こういうところは暴君だね」
さくらの呟きに、斉木は肩を竦めて笑うと車を走らせて去っていった。
「遅い」
エレベーターの扉を開けて待っていた波留斗は、無表情にさくらを見つめていた。
「ありがと」
それでも扉を開けて待っていた波留斗の思いに感謝を示すさくら。
波留斗はガシガシと頭を掻くと、
そんなことをしても何も変わらないのに゛閉゛のボタンを連打し始めた。