行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
西園寺
300坪はありそうな広大な敷地に、一季咲きの蔓薔薇に四季咲きの木立タイプの薔薇が植えられている。
果樹や野菜、草花を植えたポタジェが数ヶ所点在し、緑や色鮮やかな色彩を放っている。
ライトアップされたそれらの草木は、まるで歴史を遡ったかのようなモダンでレトロな雰囲気を漂わせていた。
「ああ、返り咲きのマダムピエールとパレードが咲いてる・・・。君達、とても綺麗だよ」
゛チュッ゛
小振りだがしっかりとした肉厚の薔薇の花びらに口付けるさくらは、ここでも妖艶で、可憐で、美しかった。
「薔薇が好きなのか?」
「うん。とても繊細で傷つきやすいんだ。だから棘で全身を守ってる。健気だよね?」
薔薇の花を見つめるさくらは、消えてしまいそうに儚げだが、ぶれない強さも漂わせている。
「お嬢様!おかえりなさいませ」
思わず、波留斗がさくらを抱き寄せようかと手を伸ばしたとき、白亜の玄関から、お約束の格好をした50代とおぼしきメイドが駆け寄ってきた。
北川麻佑。
彼女がさくらのかつてのベビーシッター、兼、現在は西園寺家の家政婦頭だと、さくらは紹介した。
果樹や野菜、草花を植えたポタジェが数ヶ所点在し、緑や色鮮やかな色彩を放っている。
ライトアップされたそれらの草木は、まるで歴史を遡ったかのようなモダンでレトロな雰囲気を漂わせていた。
「ああ、返り咲きのマダムピエールとパレードが咲いてる・・・。君達、とても綺麗だよ」
゛チュッ゛
小振りだがしっかりとした肉厚の薔薇の花びらに口付けるさくらは、ここでも妖艶で、可憐で、美しかった。
「薔薇が好きなのか?」
「うん。とても繊細で傷つきやすいんだ。だから棘で全身を守ってる。健気だよね?」
薔薇の花を見つめるさくらは、消えてしまいそうに儚げだが、ぶれない強さも漂わせている。
「お嬢様!おかえりなさいませ」
思わず、波留斗がさくらを抱き寄せようかと手を伸ばしたとき、白亜の玄関から、お約束の格好をした50代とおぼしきメイドが駆け寄ってきた。
北川麻佑。
彼女がさくらのかつてのベビーシッター、兼、現在は西園寺家の家政婦頭だと、さくらは紹介した。