行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
廣瀬によると、新しい微炭酸飲料水が求めているイメージモデルは中性的な人物だそうだ。

"どんな味がするのだろうか?"

と思わせるために、

"このモデルは男性なのか、女性なのか?"

と迷わせたいのだそうだ。

確かにその意味からすれば、さくらは適任なのかもしれない。

しかし、承諾するか否かを考える前に、またも暴君系・南條がやらかしてしまった。

「君達は、大学生のアルバイトか何かだろう?西園寺さんのモデルの給与はもちろん弾むし、アイドルのお嬢さんにも就職先を斡旋してもいい」

この期に及んで言葉の選択を間違える暴君・南條。

「お気遣いはありがたいのですが、生憎、生活には困っておりません。申し遅れましたが、私はtriple birth unionの専務をしています。そしてこちらは副社長の望月桃子と申します。お話が以上ならお引き取りを」

それぞれの名刺を差し出したさくらと桃子に、立ち尽くす暴君系・南條と執事系・廣瀬。

「失礼」

さくらは横柄にお辞儀をすると

口角を上げてニヤリと笑って、接客ブースに戻って行った。

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