行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
学の馴れ馴れしい態度に腹を立てていた波留斗だったが、収録の様子を見ていたら、一時的にその怒りを忘れてしまっていた。

よく伸びて通る声。

子役から続けているという学の声優としての能力は本物だった。

さくらの新人としてのぎこちなさを消し、その魅力を引き出していく。

幼なじみという気安さからか、台詞もとても自然になっていった。

「はい、終了~」

監督の間延びした声で我にかえる波留斗。

あてレコ室から出てきた二人にゆっくりと波留斗は近づいていった。

もちろん、黒いオーラを背負って。
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