星に乗って
いじめが始まると、日常がガラリと変化する。
今までしていた挨拶がまずなくなる。
移動教室は単独行動。
単独行動くらいなら今までもしていたから慣れている。
昼ごはんを独りで食べる。
食べられるならいい方だ。
お弁当を捨てられたり、昼休みの間中トイレや工芸室、体育倉庫に閉じ込められたりして食べられないこともしょっちゅうだ。
授業中も絶え間なくわたしに向けられた悪口を書いてある紙飛行機が先生が見ていない間に飛んでくる。
放課後は、最終下校の時間まで殴られ、蹴られる。
痛かったけれど、それに満ち足りている自分もいた。
自分で手の甲をつねってみても、ナイフの刃で皮膚をそっとなぞってみても、腕に噛み付いてみても、どこかで手加減をしてしまうのだ。
でも、他人なら絶対に手加減をしない。
この人たちには、わたしをいじめる理由がある限り、徹底的にやってくれると思っている。