星に乗って




「……っとじゃあ、この問題はそろそろ解けているはずだから当てるか。

この前は川村まで当てたから、今日は神崎か」



当てられて、ノートを持って黒板の方へ向かう。



簡単な問題だ。



ノートに書いてある数式を並べていく。



「できました」



「……よし、正解だ」



少しだけ安心した。



勉強ができないという理由でいじめられるのはわたしの豆粒ほどのプライドが許さなかった。



勉強だけは誰にも負けたくない。



「先生、神崎さん答え見ながらやっていましたよ?

こうやって、先生に見られないようにこそこそと」



わざわざ実演までしている。



しかも、いじめの主犯格の佐野さんはこの数学の先生に好かれている。



先生はどう対応するつもりなのだろうか。



「……そうか、分かった。

神崎。答えを見て出来たのと、全て自力で解いたのでは全然違うんだぞ」



は?



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