キミの1番になりたくて
二学期が始まり、中山がサッカー部の女子マネとイチャイチャしていた。

「ねぇ、香椎さんとはっきり別れてきてよぉ」
甘えるような口調でしなだれかかる彼女の頭をなでながら
「あぁ、わかってるよ。放課後ちゃんと蹴りつけるから大丈夫。」
そんな会話が俺の耳に入ってきた。

放課後、自販機にいき、彼女の好きないちご牛乳を手にして俺は二人が言い争う会話を聞いていた。

「俺たち全然噛み合ってないし、恵子ってもっと俺に合わせて尽くしてくれるタイプかと思ってたんだけど見た目のイメージとまるで違うんだよな。しかも、菅原や鈴木と仲良いいし、ふつう彼氏が優先だろ?おかしくねぇ?お前って尻軽だよな。もうお前とは付き合ってけねぇわ」

中山の言葉に怒りがこみ上げ出ていこうとしたとき、香椎が切れた。

「はぁぁ!?何言ってるの?二股かけてた最低男は自分のほうでしょ!こっちこそ付き合いきれないわ!」

「お前って可愛いげねーな。
ちょっと可愛いからって調子にのってんなよ!」


罵声を浴びせた中山が階段から降りてきた。

壁に寄りかかり腕を組んで睨み付け通りすぎようとした中山に
「2度と香椎の周りをうろつくな」
低い声で呟くと、足早に立ち去って行った。
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