キミの1番になりたくて
ハルとは違うクラスになってしまったが、俺が入学式の日にひとめぼれした女の子はハルと同じクラスにいた。

ひとめぼれとは大袈裟かもしれないが、通学路の家からの最寄り駅が一緒だったのがきっかけだ。

入学式の朝、駅のホームで同じ学校の制服の綺麗な女の子を見かけた。

ショートカットのよく似合う可愛いというよりは美人に分類されるだろう女の子だった。

入学式も終わり、放課後の桜の木のそばで、朝見かけた彼女は高跳びをしていた。
桜の花びらが風で舞い落ちるなか、青空に向かい綺麗な弧をえがいて跳ぶ姿に俺は目を奪われた。

ハルと同じクラスの陸上部佐藤こと美、それが彼女の名前だった。


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