キミの1番になりたくて
「好きなんだけど、香椎のこと。ハルをいつか必ず越えてみせるから、ハルじゃなく、俺を見てほしい。付き合ってほしい」

「えっ!?」

「ちょっちょっと待ってなんで菅原がでてくるの??」

「なんでって、ハルが好きなんだろ?」
ふてくされてこたえる俺に香椎は笑いだした。

「なんでそうなるわけ?違うよ!こと美が好きなのに、そんなわけないじゃん!私こそ言わせてもらうけど、鈴木こそこと美が好きなんじゃないの?」

香椎の顔から笑いが消えて悲しげに瞳がゆれる。

「たしかに…入学してすぐ、好きだったよ。
でも、偶然佐藤の告白を目撃して。
すぐ失恋。なんかさ、佐藤って一生懸命だから応援したくなるじゃん?どうみてもハルもきがあるし。そのうち、もっと気になるこが現れた。素直じゃなくて、甘えベタで猫みたいに気まぐれでなかなかなついてくれなくて。たまに、ひっかかれるけど時々甘える仕草が可愛くて。そのうち、そのこしか見えなくなった。イチバンになりたいって。香椎のイチバンになりたいって。好きだよ香椎が。」

香椎がみるみる赤くなる。

「とっくにイチバンだよ…。
菅原を好きなんて思ったことなんて1度もないよ。鈴木しか見てないよ!ずっと!」
「…俺が優しいから?」

ふいに香椎が勢いよく抱きついてきた。
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