世界はエリカ様のお望み通り





「先輩にこんな所見られたくないので失礼します」





見つかる前に帰らないと。





変な誤解されたら嫌だし。






奥田さんに背を向けて歩き出すと先輩の口から私の名前が上がった。






何話してるの気になって少し近づく。






幸い近くに木があり、バレることは多分ない。







「なぁお前あの、1年のエリカって女と付き合うの?」







「あ?あーないない。あんなわがままな女。ただ、俺気に入られてるからワンチャンセフレに出来ると思うんだよね」





先輩が放った言葉に言葉を失った。






「それにあいつ多分処女だし、俺の事気に入ってんならきっと喜んで股開くぜ?あはははは」






先輩だよね?






エリカの知ってる先輩じゃない、、。






私が道に迷って困ってた時に助けてくれた先輩だよね?






授業内容が分からなくて丁寧に優しく教えてくれた先輩だよね?






入学して3ヶ月。同じテニスサークルに入って一生懸命教えてくれた先輩だよね?






その後も先輩の私に対する悪口は止まらず、そこに居たくないのに足が動かなかった。
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