世界はエリカ様のお望み通り





「っな別にそんな女とどうこうなるとか考えてもいねぇーよ!!」








先輩が吐き捨てるように言った。






その言葉に涙が出そうになった。






隠さなきゃ見られちゃう。






「おいクソガキ」





え、今の声奥田さん?






低くドスの効いた声で奥田さんが続ける。





「あんまり舐めた真似をしないで貰っていいかな。温厚な私でも流石に限界ですよ」





そう言って作り笑いを浮かべる奥田さん。





でもその目は全く笑ってない。






「あ、の、、奥田さん」





「ごめんね。嫌な思いさせちゃったよね帰ろうか」





何事も無かったかのようにそう言ってエリカを抱えたまま歩き出した。






「じ、自分で歩けますので、降ろしてください」






「さっき、離さないって言ったでしょ?だからダメだよ。このまま連れてく」






強引なのにその声は優しくて、傷ついてる今それはずるいと思った。






「大丈夫だから。泣いていいよ。誰にも泣き顔見られないようにするから」







その声があんまりにも優しくて我慢していたのに目から涙がこぼれ落ちた。
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