世界はエリカ様のお望み通り
「嫌!!エリカの結婚相手はエリカ自身で決めるし、会社は私のお婿さんが継ぐの!」
きっぱりと言い切った。
しかしパパの顔は晴れない。
「エリカ。」
パパの声に身体がビクッとなる。
怒ってる?
パパがエリカに怒ってるの?
「なーんてね」
直ぐに柔らかい表情に戻り、いつも通りになった。
「エリカの好きな人はどんな人なの?」
急な変わりようにびっくりしたけど答える。
「え、と大学のサークルの先輩なんだけどね、名前は大智さんって言ってね凄く素敵で紳士なの。エリカのこと凄く可愛いって褒めてくれて、君は世界で1番素敵な女の子って言ってくれたのよ!!」
「そうかぁ随分恥ずかしいセリフを言う男の子だね」
「そうかしら?まぁエリカが可愛いのは間違いないし素敵なのも間違ってないから普通じゃないかな」
「エリカは世界で1番可愛いよ。まるでママを見てるみたいだ」
「ママってどれくらい綺麗だったの?」
エリカのママはエリカが3歳の時に病気で亡くなっている。
「今のエリカと同じくらいとても綺麗だったよ」
パパはママが大好きでよくママの話をしてくれた。
エリカはママとの思い出が少なく、また小さかったため殆ど覚えていないのだがそれでもパパが話してくれるママの事が好きだった。
「ねぇパパ、エリカもパパとママみたいに恋愛結婚したいの。だからお願い、あの人とは結婚出来ない」
「そうだね、、エリカの人生だもんね」