初-ui-
いつ恋愛しても手に入るとありきたりなものになってしまう。
「なぁ、なず…俺のこと好き?」
うん…と返事をした後
バイトの支度するわと言って切った。
好きかどうかなんて私にもわからない。
でもアキラは優しい。
その優しさに何度も救われたのは本当だよ。
みずみずしいフルーツや自家製ヨーグルトを食卓に並べて、今日はどんなメイクにしようか?なんてポーチに手を伸ばす朝。
…なんて、理想とはかけ離れた朝。
お湯で顔を洗い適当に日焼け止めを塗り…
ちゃちゃっと支度を済ませ、タバコに火をつけ一息つく。
「行きたくねえーーーー。」
ふぅーっと勢いよく吹いた煙と共に誰もいない部屋に響く声。
世の中はゴールデンウィーク真っ最中。
外に出ればカップルや家族が幸せそうに歩いてる。
平成も終わろうとして新しい時代に浮き足立つ世の中と私の足取りは反比例していた。