枯れた涙にさようなら。
4=カラオケと交流会


あっという間に本日の授業は終わり、残す行事は例の交流会だけとなった。

結局、アンケートの結果は僅差でカラオケに決定。部屋割りなど参加者の分割が心配されたのだが、今日の間に奏ちゃん(東さん)の席に来て、やっぱり行けそうにないという旨を伝える子が何人か居たために、パーティー用ルームを一つ借りるだけで十分みんなが入ることが出来るようだった。奏ちゃんは参加人数が減って少し悲しそうだったけど、交流するにはちょうど良い人数だと思う。


集合場所となったカラオケがあるのは高校の最寄り駅から二駅先の大きな駅。娯楽施設は多くあるため、街に出ずにここで休日などに遊ぶ人も結構いる(らしい)。それぞれ移動手段が違うので、一番時間がかかる電車の人たちに合わせて集合時間が決まった。
私は電車を使用する組、つまり最後に到着する予定のグループで行く。

そこで見つけたのは最近知った姿。

「あれ?天満くんも電車だったんだね」
「うん、坪井さんもなんだ?」
「そうだよ〜」

話を聞くと、天満くんの家は隣町で、私と同じ駅を使っているらしい。

「じゃあ帰りは俺が送るよ」
「えっ、いいの?でも…」

そりゃあ夜道を一人で帰るのは怖いし、一緒に帰ってくれたら凄く心強いし安心するけど…昨日話すようになったばっかりでそんな甘えちゃっていいのかな?

「南中ってことは、多分俺の帰る道と途中まで一緒だと思うし。田舎だから街灯も結構少ないしさ、一人で帰らすのは心配。遠慮しないで帰ろう?」

う…そこまで言われて断れるほど図太くできていないので、あっさりとその提案に乗っかることにする。

「ありがと…それじゃあ…お願いします」
「うん、よろしい」

そんなこんなのやり取りをしているうちに、電車は目的の駅に到着した。
電車組を考慮して、駅前のカラオケで予約を取ったのですぐに到着する。とってもありがたい。

「コンビニでご飯買って行こうか」

と、ぞろぞろと何人かがコンビニエンスストアに入っていく。今日はお昼ご飯を食べずに下校だったためにこれから食事なのだ。
そこですかさず私も入店。流れには逆らえない、のと、お弁当持ってきていない。

学生フリータイム500円のフリードリンク付き食べ物持ち込みOK。なんて学生に優しいの。まぁ、学生のための学割なんだけど。


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