枯れた涙にさようなら。
5=天満くんと初恋
現在俺は、約束通り坪井さんと一緒に帰路についている。
あの後は東さんが来たり、俺が他のところに呼ばれたりしてなんだかんだ坪井さんと話す時間はあまりなかった。
「あんまり話せなかったね、って言っても話題は特に無かったんだけど…」
えへへ、と坪井さんは眉を少し下げてはにかむ。話題…か。
「本当、折角隣だったけどね」
出会った時から、ずっと心に抱いている気持ちがある。教室の前でぶつかって、さっきの会話でそれが徐々に確信に変わっていた。
それを坪井さんに打ち明けてもいいのか、だけど迷惑にならないだろうか、もんもんと頭を交差する。
「……あのさ」
「?」
「ごめん。先に謝っとくよ、さっき尾形さんと隣で話してるの聞いちゃって」
「えっ、あ…いいよ〜あんなそばで話してたら嫌でも聞こえちゃうもん。律儀だね、天満くん」
ごめんね、これからもしかしたら傷付けるかも。そういう意味も込めて。
「それで、俺…坪井さんに、聞きたいことがあるんだけど」
「?」