枯れた涙にさようなら。
二人に、別れて欲しいなんて思ったことはなかった。あの人に、俺を選んで欲しいなんて贅沢な願いを持つことだって、しようとしていなかった。
ただ、一度でいいから俺のことを見て欲しかった。
兄貴のことじゃなくて俺のことしか考えていない時間が、一秒でもいいからあってほしかった。瞬きをする一瞬でさえと、俺は願った。
けれど俺が好きな素敵な彼女の目にはいつも、どこか兄貴が映ってるように見えた。