枯れた涙にさようなら。
2=幼馴染とメールアドレス
高校生になってから、早一月がすぎた。
新しいクラスでも馴染めていると思うし、つるんでくれる友達もできた。部活での活動もそれなりに慣れてきて、先輩ともいい関係を築けていると思う。勉強面にも余裕があり、授業も若干暇を持て余すくらいだ。
そんな中、俺が最近気になっていることといえば、俺の幼馴染・坪井かすみについてだ。
物心ついたころから一緒にいたかすみとは、今でも仲の良い幼馴染だと自分では思っている。しかし、最近あまり関われていないというのが現実だ。人数の少なかった地元の小学校中学校とは違い、高校では案の定クラスが離れてしまったのだ。しかも一階分離れてしまった。
というのも、俺とかすみは出会ってこの方、隣の教室以上にクラスが離れたことがないのだ。通っていた小中学校では、学年に多くて三クラスしかなかったのである。そんな俺たちがこんなにも離れてしまって。
正直に言って、教室が離れただけでこんなにも関わりが減ってしまうだなんて思いもよらなかった。朝は部活の朝練で一緒に登校することも出来なくなったし、授業の間は移動や次の授業の準備で忙しい。昼休みだってクラスの子と食べて午後の授業の予習をしていたらいつの間にか終わっている始末。下校も俺だけが部活に入っているせいでかすみとは一緒に帰ることが出来ないし休みの日だって俺は部活だ。
妹のように可愛がっていたかすみが一人で生きていけているのか。良い友達はちゃんとできたのか。男子などにからかわれて過ごしていないか。そんな心配が頭の中を支配する。きっと、いらぬ心配なのは百五も承知なんだけどな。