枯れた涙にさようなら。
朝、天満くんからの返信を読んだ。宿題を終えた時にはもういい時間で、眠くて眠くて、目をつむるとあっという間に朝になっていたから。
先に歯、磨いてて良かった、って思い出したころには着替えは終わっていて。
「おはよう」
机ではもうお姉ちゃんがご飯を食べていた。
「おはおう、ひふんへひほひふあっはへて〜」
「わかった」
口にご飯を入れて喋っていても何を言っているのか分かるのは、もう毎日のように耳にしているからだろう。
「別にお味噌汁くらい、お姉ちゃんに言われなくても普通に温めるよ?冷めたいのあんまり好きじゃないし」
そんな毎日、わざわざ伝えなくてもさ。
ピッとボタンを押して鍋に入っている味噌汁を温める。数年前にガスコンロからIHに変えてとても便利が良くなった。機能も多いし、火加減の調節も簡単で。
んっ、とお姉ちゃんが口のものを飲み込んだ音が聞こえた。
「だって、私も時々温めて食べるでしょ?それで次の日温めて忘れて冷たいの食べちゃったらどうするの?」
「それはそれで冷たいお味噌汁食べるよ…」
何言ってんのよ、という顔でこちらを見るお姉ちゃん。