枯れた涙にさようなら。
「だって坪井さんスマホ持ってないって聞いたからさ…」
「えっそうなのか?喜一」
思った通りの回答だったのだが、やはり今時珍しいものなんだろうな。
「あぁ、そうだけど…なんで知ってんだ?」
入学して一週間も経たないくらいは部活も入っていなかったし一緒に登下校をしていたから、その時この二人にはかすみとは幼馴染だということを伝えたはずだ。しかし、それ以上かすみの名前を出した覚えはないし、さっきも言ったように哲平とかすみが知り合いだとか、耳にしたことも目にしたこともないのだ。どこからそういう情報が入ったのやら。
「こないだ坪井さんのクラスの男子に聞いたら言ってたんだよ。クラスラインにも入らないし、女子ともメールで連絡してるらしいって」
え、待って。クラスラインとかあるの?このクラスも実はあったりする?俺入ってないんだけど
「大丈夫だ田所。このクラスにライングループはまだ出来てない」
そこですかさず津山がフォローを入れてくれる。俺の思考回路はダダ漏れのようだ。
しかしなんだ、良かった…ハブられてるとかじゃないみたいだ。