心に一滴の雫を。
それで…母は。

彼女は…今、きっと独りだ。

引っ越しに選んだ場所はやはり辺境で。

親とは思えないほどの可愛らしい容姿をした彼女は、そこで他のヴァンパイアの家に住まわせてもらっている。

男の人がその家の当主さんだったし、私と同じで母も男性が苦手だから…。ちょっと心配だ。

父は私が生まれた時点でもういなかったので母が頼れるのは私しかいなかった。

しかし、それをわかってて出てきたのは私だ。
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