心に一滴の雫を。
…しっかりしないと。

「ん…あれ」

いつのまにか下がっていた目線を上向ける。

すると視界には一人の男の子だけがうつっていた。

場所も教室から外へ変わっていて、足元を見つめる。

靴はキチンと履き替えていたけれど、どうやってここまで来たのだろう?

「…ここは、『体育館裏』?」

そういえば眼前の彼に渡された紙切れにはそう書いてあった、と思い出して質問したのだけれど。

「ごめん、今は聞いてやれない」

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