心に一滴の雫を。
視線は火の方に固定したまま再度問う。

自分のことを生かして何をしたいのか、なんて疑問は最初から頭になかった。

問いは聞こえていたはずだが**は答えない。

無言で自分の手を掴んで家とは反対の方へ歩き始めた。

抗おうと思うこともなく、同じく無言で歩く。

ついていく中で見えたものはフードで見えない顔より下、首元にまで流れて光る一筋の雫だった。
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