心に一滴の雫を。
〜〜〜

「……!!」

意識が浮上した、というのを認識するよりか早くに私は体を起こしていた。

ほぼ目を閉じている状態でのことだったので、目の前に人の顔があっても気づけなかった。

ということはつまり。

「っ…!いったぁ…」

「あぅ…」

思い切り、おでこ同士をぶつけたということで。

…かなり痛い。

意識を失う前に打ったところまで疼き始めた。

思わず顔をしかめていると、間近にいた不埒者は更に顔を近づけてきた。
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