心に一滴の雫を。
しかし、状況がそうさせてくれない。

「石和さん、ね。ここは君の寮の部屋。で、起きたらー…まぁついてきてよ」

私は次、何をすればいいのか全く知らないから。

それにめんどくさがったのか、凱斗は中身を告げずに立ち上がるし。

既に私も彼も、行動が他の生徒からかなり遅れているはずで。

いらない注目をこれ以上浴びるのは避けたいので、仕方無しに私もついて行った。

遅れれば遅れるほど、面倒なことになる気がしたのだ。

しかし。

…時既に遅し、だったようだが。
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