心に一滴の雫を。
〜〜〜

「もう体調は大丈夫なんですか?」

部屋を出たところで、待っていたと思しき男の子(実年齢は関係なしに聖歌にとって人間はみんな子供に見えている)が声をかけてきた。

制服の胸には『寮長』というバッジが加えられた名札が付けてあった。

「はい…。もう、平気です」

まだ頭が痛いことを隠すため、本日何度目になるのやら、笑顔を作る。

隣にいた凱斗はそんな私を見ると、急に顔をしかめてそっぽをむいてしまう。
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