心に一滴の雫を。
なんとなく空気の悪さを感じながらも会話は続く。

「それは良かった。実は、君が休んでいる間に寮についての全体説明は、終わってしまったんだ」

「はぁ。ちなみに今の時刻って……?」

「今は、えーっとねー…。」

聞かされたのは、入学式から2時間以上経った時刻で、頭を抱えたくなった。

寝すぎな自分が悪いのだけど、起こしてくれればいいのにと、少々凱斗を睨んでしまう。

すると、意外にも凱斗の表情が柔らかくなり、空気も良くなったので不思議だ。
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