心に一滴の雫を。
「うん、狼。…意外だった?」

なぜか自慢げに言う凱斗。

「うん。意外だった。全然わからなかったー」

自分にはわからなかったことを「ふふん、どうだっ!」とでも言うかのような表情で言われると。

…癪に触る。

「えーなに?その『別に重要なことじゃないし、そんなことは』って感じの棒読みはっ」

不満そうに口を尖らせる彼。

それを見てたら急速に頭が冷えてきた。

「狼って、瞬間移動できるの?」
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