心に一滴の雫を。
入学式をするという講堂は予想よりも遠く、更に光を遮ってくれる物があまりなくて辛い。

それに周りには他の新入生が多くいるため、走るといったような強硬手段も実行出来なかった。

変な注目を浴びることになるだろうし。

「はぁ………」

私は生まれてこのかた十数年、多分他の同胞よりも外へ出た回数が少ない。

だから光に耐性が無いのは仕方がないけどやはり、もう少しは外に出ておくべきだったなと思った。

心の中で「もう」とか「あー帰りたい」と毒づきまくる。

そうしている内に、講堂の入り口に着いたー。
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