心に一滴の雫を。
「っ?」

まだ彼女は状況を飲み込めていないらしい。

それをいいことに、首筋に咬みつく。

意識を失わせるため、一気に血を吸い上げた。

「まっ、て…な、んで……………」

昼にも血を吸われたからか、すぐに聖歌は気を失う。恐らくそのまま寝て、起きるのは朝だろう。

口元についた血を拭うと、凱斗はベッドからおりる。

そこで、声がかけられた。

「一日に二回も…。余程聖ちゃんの血が気に入ったの?」
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