心に一滴の雫を。
「こっちが年上だからって…扱いはヴァンパイアの方が断然上なのにー。なんたる矛盾…」

やれやれと首を振ると、突然セイはコウモリの姿になった。

そしてこちらに近づくと私の頭の上にのる。

まさかこのまま外に出るつもりなんだろうか。

「冗談だよねー…セイ。機嫌を悪くしたなら謝るよー」

「………」

どんなに優しく言っても彼は聞かなかった。

諦めてドアを開ける。

きっとペットということにすればなんとか…。

…ならないか、うん。
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