心に一滴の雫を。
〜〜〜
幸いというかなんというか。
誰とも顔を合わすことはなかったのでバレなかった。
どうして誰もいなかったのかというと。
ー完全に遅刻したのである。
校門は閉まっていた。
「あーあ…。でも、いいか」
本当に人目がないか、周囲を見回してから校門を真っ直ぐに飛び越える。
先生を見つけたら…体調を崩してトイレにこもってたとか言えばいい話だ。
焦ることなく、悠長に構えて教室に向かう…ところで。
「セイ、本当にこのまま行くつもり?」
歩きながら呟くと、急に肩がズドンと重くなる。
目線だけ上げれば、彼は人間の姿に戻って私の顔を覗き込んでいた。
まるでこちらが彼を肩車をしているかのような態勢で。
「もー、ウソに決まってるでしょっ」
機嫌がなおったらしく、そのままギューっと頭を抱きしめられる。
こうされると「しょうがないなぁ」と思ってしまうのだけれど、現状は打破しなければ。
誰かに見つかったら『子連れの高校生』と勘違いされかねない。
幸いというかなんというか。
誰とも顔を合わすことはなかったのでバレなかった。
どうして誰もいなかったのかというと。
ー完全に遅刻したのである。
校門は閉まっていた。
「あーあ…。でも、いいか」
本当に人目がないか、周囲を見回してから校門を真っ直ぐに飛び越える。
先生を見つけたら…体調を崩してトイレにこもってたとか言えばいい話だ。
焦ることなく、悠長に構えて教室に向かう…ところで。
「セイ、本当にこのまま行くつもり?」
歩きながら呟くと、急に肩がズドンと重くなる。
目線だけ上げれば、彼は人間の姿に戻って私の顔を覗き込んでいた。
まるでこちらが彼を肩車をしているかのような態勢で。
「もー、ウソに決まってるでしょっ」
機嫌がなおったらしく、そのままギューっと頭を抱きしめられる。
こうされると「しょうがないなぁ」と思ってしまうのだけれど、現状は打破しなければ。
誰かに見つかったら『子連れの高校生』と勘違いされかねない。