果報者
「.......って」


「...........え..........?」


「........出てって」


「......まこ?」


「......やめて......名前呼ばないで.....」


「まこ?」


「出てって!!!」





しばらく静かな空気だけが
俺らを纏っていたのに



我に帰った時、
彼女は大きな声で俺に出てけと叫んでた。



そして布団を頭から被り
泣き叫ぶ彼女の姿がそこにはあった。


こんな時でも俺はほんまにあほやから
そっとベッドに近付いた。




そして丸まった布団の上からそっと撫でて





「.......出て行かへん。」





そう告げた。
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