果報者
「..........よしよし」





どんなに彼女が逃げようとも




”やだ!”
”やめて!”
”触らないで!”




どんなに彼女が俺を避けようとも



ずっと布団の上から撫で続けた。




”大丈夫やで”
”俺やで”



そう言ってなだめ続けた。




すると散々叫び疲れた彼女は
暴れるのをやめ



興奮気味に聞こえた呼吸は
だんだんと
涙が滲んでいるような呼吸に変わっていた。





「.......まこ?」





優しく優しく
小さい子に言うように





「出てきたくなかったら
そのままでええし聞いてくれる?」




彼女に問いかけた。
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