果報者
冗談を言おうって
笑って迎えに行こうって
決めてたはずやのに



もう絶対泣かんって
まこの前では笑うって
決めてたはずやのに



一度溢れ出した涙は
拭っても拭っても枯れんくて




膨らんだ布団におでこをつけて
声にならん叫びをこぼした。






「.....お願いやから....っ


お願いやから.......っ





顔見せてや........っ」






我慢し続けたその想いは
一度吐き出すと涙と同じで
止まることを知らない。



ただただお前に会いたかった。
どこで何をしているのかを知りたかった。



それは俺だけじゃないって
同じ気持ちでいてくれてるって




まこも同じ気持ちやろ?
お前も俺のこと待ってたやろ?



どんなに言葉で、態度で、
お前が俺を拒絶しても
俺は離れへんよ。




だって





だって





ベッドの横、



”崇裕くんバラエティ”
”崇裕くん音楽番組”
”崇裕くんコンサート”





たくさんの俺が積み上げられてるんやもん。
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