果報者
飲み物を買いに行ったはずの彼は
病室を出てすぐのソファに座り
何かを考えるように下を向いてた。



さっきはありがとうな、なんて
軽く肩を叩いて戻ろうかと思ってたのに




あまりにも彼が
泣きそうな顔で俺のことを見上げるから








「.......なんかあったんか?」







横に座った。



けどそれは、
すぐに笑顔に変わり







「...........紺ちゃんすげぇな。」







ボロボロと涙をこぼす彼がいた。
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