果報者
そんな今日は彼女が最近ハマってる、
焼き芋を2人で半分こする予定。



近くのスーパーで買った
ほかほかの焼き芋を持って
俺は病院に来てた。




いつも通り部屋に入り
よっと手をあげる。



でもそれはすぐに意味をなくし
ガランとした部屋に俺の声だけが残った。



最近になってこういう事が増えた。



しばらくして戻ってきた彼女は
明らかに顔が真っ青で





「あ、崇裕くんいらっしゃい。」





無理に笑う彼女に



今日も調子悪そうやな。
またトイレこもってたんかな。



咄嗟に焼き芋の入った袋を
後ろに隠した。
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