果報者
「........しんどいか?」





ベッドに入る彼女を支え
優しく布団をかけてやる。





「......今日な、おもろいことあってん。」




俺は確信を突かない。
ほんまは体調悪いんやろ?
なんて聞かない。



前に



”崇裕くんの話聞いてるだけで
ほんとに心から元気になる”




そう言ってくれたから。



だから俺は懲りずに話し続ける。
笑わせ続ける。



毎日毎日彼女に話すことを
考える。



俺だけでも
俺といる時だけでも
病気のことを忘れて欲しかったから。





話してるうちに
眠そうな顔になる彼女。


頭を撫でてやるとほんまに幸せそうな顔で
目を瞑った。





「ちょっと行ってくるで〜」





眠る彼女にそっと告げて
俺は病室を後にし、あるところへ向かった。
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