果報者
部屋に通された俺と志乃さんの目の前には
少し分厚めの資料が出された。



何枚にも分けられて綴られるのは
きっと彼女が今までに経験した痛み、
そして苦しみ。





初めて知る、
今彼女が闘っているもの。





「ご家族の方で間違いないですか?」


「婚約者です。」







彼女の一生の伴侶としての覚悟。







1時間ほどに渡った面談。



難しい話の中で
唯一しっかり理解できたのは



”発見が遅かったです。”


”覚悟してもらった方が。”



の言葉。
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