果報者
車の中で眠ってしまった娘に
可愛いもこもこのコートを着せて
抱いて俺はあの道を歩いた。



思い出の場所に立った時、
俺の頬は少し濡れていた。



思えば俺は泣いてばっかやな。
あいつも泣いてばっかやったけど



思い出すのは涙の記憶ばかりで




楽しかったこと
嬉しかったこと
幸せやったこと




全ての記憶を呼び覚ましていく。




ここで俺は君と出会い恋に落ちた。
長い長い俺らの日々は
いつしか夫婦の日々に変わり
今では家族の日々になってる。



俺の胸で眠る俺らの宝物は
確実に君がいた証で
君がくれた大事なもので

< 181 / 196 >

この作品をシェア

pagetop