果報者
君の生きている証が欲しかった。



俺とお前の軌跡が欲しかった。



それはどうしたら手に入れられるのか。



無くしたものは
二度と出てこない。



自ら手放したものは
二度と戻ってこない。



だから俺は歌にした。



君が確かに存在したことを証明するために
歌を作った。



寒い寒い日に結ばれた俺らを
証明してみせるから。



この歌をお前に捧げるって決めたから。
< 186 / 196 >

この作品をシェア

pagetop