果報者
「住所とか聞いてないん?」





初めて斗にこの事を話した時言われた言葉で
俺は気付いた。



まこの異動先も
引越し先の住所も知らんってことに。



言われてみれば
聞くタイミングなんていくらでもあったのに。



いつか聞けばええやろう。
一生会えへんわけじゃないんやし。




”早くて1年、長くて一生”





彼女のこのセリフを
冗談として受け取ってしまってたんや。






「住所知らんの!?」





圭太が驚くのも無理はない。
俺でもびっくりするもん。





「ほんま紺ちゃんアホやな!!」





こう言われるのも無理はない。
自分でもあほやと思うもん。
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