果報者
顔を洗おうと鏡を見た時、
一気に現実だと突きつけられた。



顔に残る枯れたはずの涙の跡。



どれほど泣いたのかと
思わせるほどの目の腫れ。



着ていた洋服はヨレヨレで
所々シミができていて




あぁ、夢じゃないんやって
冗談じゃないんやって
受け入れなあかんのかって。




そして枯れたはずの涙は
思い出したように溢れてきて



ぐちゃぐちゃの俺は鏡に写ってて



歯を食いしばるしか出来ない自分が
情けなくて



自分の未来も
これから起きる全てのことも
何もかもが怖くなった。
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