不明
伊須来も明の姿に気付いたのか明を鋭い眼光で睨みつけ、わざとらしく謎かけを続ける。
「明とかけまして、 明と解きます。その心はお金を盗むのが得意です。」
伊須来の言葉を珍しく真摯に受け止める明。
「ごめんなさい。伊須来。」
伊須来の前に土下座をしてお金を渡す。
「母ちゃんには言わないで。何でもするから。」
大きくため息をついて伊須来がいつもの口調で話し出した。
「じゃあ腕立て100回。」
「ごめん、深爪しちゃって。」
「じゃあスクワット。」
「今、腰に湿布貼ってて。」
やはりすぐにあきらめ前の言葉に責任を持たない明。
なぜこの人と友達なのだろうと不思議に思う伊須来だった。

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