現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
「でもね、つい最近公爵が僕を跡継ぎに指名したんだ。僕も父も事前に知らされてなかったから、急に王宮から呼び出しがあったりして大変だったよ」
「あ、それって……」
「うん、こないだ王立公園でグレースと会った時だよ。まぁ断る理由はないからいいんだけどね、公爵にはちょっと苦情は言っといたよ」
悪戯っぽくウィンクするヴェネディクトはすっかりグレースと二人の世界を作っていて、睨んでいるカーライル子爵の存在は忘れた様に話し続ける。が、グレースは向かいからの鋭い無視が出来なかった。
「あ、あの……それで?」
「ああ、それでね。次期グランサム公爵になるって決まった僕を狙って女狐やら娘を持つ狸やらがやってくるようになったんだ。あの手この手を使って僕と結婚する為にね」
「それは……そうね、うん」
名門グランサム公爵夫人になって裕福な生活を送りたい女性もそのおこぼれに預かりたい父親も沢山いるのは想像に難くない。
「あ、それって……」
「うん、こないだ王立公園でグレースと会った時だよ。まぁ断る理由はないからいいんだけどね、公爵にはちょっと苦情は言っといたよ」
悪戯っぽくウィンクするヴェネディクトはすっかりグレースと二人の世界を作っていて、睨んでいるカーライル子爵の存在は忘れた様に話し続ける。が、グレースは向かいからの鋭い無視が出来なかった。
「あ、あの……それで?」
「ああ、それでね。次期グランサム公爵になるって決まった僕を狙って女狐やら娘を持つ狸やらがやってくるようになったんだ。あの手この手を使って僕と結婚する為にね」
「それは……そうね、うん」
名門グランサム公爵夫人になって裕福な生活を送りたい女性もそのおこぼれに預かりたい父親も沢山いるのは想像に難くない。