現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
ヴェネディクトに恥ずかしげに眉を下げて自分の家を貶めるよう発言をされては継母とて強くは出れない。いや、それよりも美青年の困ったような顔が年上女性の保護欲をそそって責められないのかもだが。

「ですが最近は当主のグランサム公爵と親しくお付き合いさせていただいているのです。公爵に呼ばれているので僕も一緒に屋敷に滞在する事になりますし、今回のお話も安心して……」

「ご一緒にですって!?」

ヴェネディクトのペースに乗せられて反対するきっかけを失っていた継母が不意に一節に食いついてきた。

「妙齢の未婚の男女が、同じお屋敷に滞在するだなんて!婚約しているわけでもないのにありえませんわ。それにグランサム公爵様はヴェネディクト様のお願いだから聞いてくださるのでしょう?ただの幼馴染が厚かましい……」

< 22 / 124 >

この作品をシェア

pagetop