現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
言われた時、余りの話に怒ることさえ出来なかったのが今でも悔しい。
要するに、継母はグレースを「器量も性格も悪いが若いから子供が産める」だけの娘だと思っていて、その条件に見合う縁談を持ってきたと言ったのだ。
「まぁ、お義母様としては私を追っ払えてお金が入るっていうのが一番のメリットだったんでしょうけど」
口では勝ち気な事を言いながら涙が溢れるのを必死で耐えていたのは記憶に新しい。
その時からヴェネディクトはグレースの為に考えてくれていたのだろう。
「僕はグレースより年下で頼りないし、将来も爵位を継げる訳じゃない。だから相手としては釣り合わないかもしれないけど、変な縁談を避ける壁くらいにはなれないかなって」
そんな自分を情けないと項垂れながらも、ヴェネディクトはグレースの手を握る手に力を込めた。
要するに、継母はグレースを「器量も性格も悪いが若いから子供が産める」だけの娘だと思っていて、その条件に見合う縁談を持ってきたと言ったのだ。
「まぁ、お義母様としては私を追っ払えてお金が入るっていうのが一番のメリットだったんでしょうけど」
口では勝ち気な事を言いながら涙が溢れるのを必死で耐えていたのは記憶に新しい。
その時からヴェネディクトはグレースの為に考えてくれていたのだろう。
「僕はグレースより年下で頼りないし、将来も爵位を継げる訳じゃない。だから相手としては釣り合わないかもしれないけど、変な縁談を避ける壁くらいにはなれないかなって」
そんな自分を情けないと項垂れながらも、ヴェネディクトはグレースの手を握る手に力を込めた。