現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
確かにそうだが、何か引っかかる。納得出来ていないと顔に出してヴェネディクトを見ると、ニコニコと笑顔が返ってきた。

「やっぱりグレースは僕の前では気を抜いてくれてるんだね。その顔、まるでお預けを食らった子どもみたいだよ」

「そうよ、だって答えが欲しいんですもの」

「くくっ。可愛いから教えてあげたいところだけどダーメ。ちゃんと考えてね、グレース。僕をよく知ってる君なら分かるはずだよ」

「ーーー意地悪」

プッと頬を膨らませて不満を訴えた後、ティーカップを持ち上げたグレースはその香りに驚いた。

「アッサムね!私の好きな紅茶だわ」

「お菓子も今日は君の好きなものだよ。伝えて作ってもらったんだ」

「え!?伝えてって事前に?」
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